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2009年1月

2009年1月31日 (土)

悪質な記事

http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008122301000451.html

大手製造業、株主重視で人員削減  内部留保、空前の33兆円

 大量の人員削減を進めるトヨタ自動車やキヤノンなど日本を代表する大手製造業16社で、利益から配当金などを引いた2008年9月末の内部留保合計額が、景気回復前の02年3月期末から倍増し空前の約33兆6000億円に達したことが23日、共同通信社の集計で明らかになった。

 過去の好景気による利益が、人件費に回らず巨額余資として企業内部に積み上がった格好。08年4月以降に判明した各社の人員削減合計数は約4万人に上るが世界的な景気後退に直面する企業は財務基盤の強化を優先、人員削減を中心とするリストラは今後も加速する見通し。

 08年度の純利益減少は必至の情勢だが配当水準を維持、増やす方針の企業が目立ち株主重視の姿勢も鮮明だ。

 派遣社員などで組織する労働組合は「労働者への還元が不十分なまま利益をため込んだ上、業績が不透明になった途端、安易に人減らしに頼っている」と批判している。

 集計によると内部留保の合計は01年度末の約17兆円から08年9月末に98%も増加。この間に米国の金融資本主義が広がり「株主重視」の経営を求める風潮が日本でも強まった。増配や自社株買いなどで市場での評価を高める経営手法がもてはやされた。
2008/12/23 22:08   【共同通信】

 まず、基本的なことを抑えておこう。

 「内部留保=現金」ではない(確かに内部留保は利益の積み立てではあるが)。その理論を以下に単純に示す。

 ある企業で一期間中において以下の取引があった。
 ①. 1億円の商品を仕入れた。
 ②. 2億円でその商品を売って、2億円の現金を得た。
 ③. 1億円で建物を購入した。
 さて、この場合利益はいくらか?

 答えは1億円であって、0円ではないなぜか?

 まず、①の取引により企業は1億円の費用が掛かった。
 次に、②の取引により企業は2億円の収益を得た。
 ここまでの取引(2億円-1億円)の結果、企業はその差分1億円を利益として得たわけだ。
 そして、③の取引で、企業は1億円で建物を購入している。しかし、ここが注意すべきポイントである。

 この「建物の購入」は損失ではない為、費用として計上されない。つまり、利益額1億円は減らないのである。これは、損益計算と現金計算が別物であることを示す。

参考:計算過程
損益計算:2億円(商品の売上)-1億円(商品の仕入れ)=1億円(利益)
現金計算:-1億円(商品の仕入れ)+2億円(売上で得た現金)-1億円(建物の購入)=0(現金)

 この計算過程を見れば明らかなように、利益が上がっていても現金は0である。

 つまり、トヨタなどの大企業は設備投資や工場の建設などを活発に行っている為、内部留保は多くても、実際の現金は少ないのだ。だからこそ、キャッシュフロー計算書(≒現金預金計算書)を企業は決算の時に広告しているのだ。
 まあ、そういった計算式で企業を評価するとマスコミが、全く経済に貢献していない(現金を溜め込んでいる)ことがばれるから、こういう記事になっているんだろうけどね。

脚注

*ただ、恐らく、建物の購入だって損失では?という疑問が浮かぶだろう。しかし、これは建物は長期で利用が可能である為、損益計算には当てはまらない。なぜならば、損益計算は一期間(大抵は1年度)の経済活動を見るものなのだからだ。
(なお、損益計算の対象となる商品の場合も、売れ残り商品は繰越の資産として、「商品」や「棚卸資産」として資産計上される。)

参考:トヨタの連結キャッシュフローの推移

  平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度
営業C/F 1108831 759149 1329472 2186734 2370940
投資C/F -1047074 -954031 -1385814 -2216495 -3061196
フリーC/F 61757 -194882 -56342 -29761 -690256
財務C/F -148930 348005 33555 242223 419384

C/Fとはキャッシュフロー(現金の流動額)の略。
 単位は100万円。
 フリーキャッシュフローが赤字である程、活発な投資(工場建設や機械の購入)を行っている。

引用:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060530/239478/

*当分の間、この記事をトップにしときます。

2009年1月29日 (木)

ミルトン・フリードマン(新・自由主義の旗手)は間違っていない!!

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090119-00000003-voice-pol

日銀の失政は明らか/若田部昌澄(早稲田大学教授)

◇フリードマンの警句◇

 早いものでこのコラムの連載もはや2年が経過した。この間、私は少しでも読者にとって有益なことを書こうと考えてきたが、それがうまくいっているかどうかは、もちろん読者の方々のご判断にお任せするしかない。しかし自己点検も怠ってはならないだろう。

 ちょうど2年前に書いた連載第2回のコラムで、私は故フリードマン教授が見直されるかもしれないという趣旨のことを書いた。

 2006年の3月以降、日銀はすさまじい勢いで量的緩和を解除しており、日銀の供給する貨幣(ベースマネー)は急激に縮小していた。当時私は、こうした事態が日本経済のデフレ脱却を頓挫させることを懸念していた。

 その後の展開は、2つの意味でフリードマン教授の業績を見直すことになったといえよう。第1の点は、もともとのコラムで提起した論点にかかわる。依然として日本経済はデフレから脱却していない。たしかに、新聞のヘッドラインで見るような生鮮食品を除く総合消費者物価指数は一時2%前後に到達した。しかし、ヘッドラインの数字は誤解を招きやすいものである。というのも、そこには原油などのエネルギー関連価格が含まれているからである。

 周知のように原油価格は急騰が続いていた。しかし、それは昨年7月ごろに終わったといえよう。すでに原油先物価格はピーク時の半分以下にまで下がってきている。案の定ヘッドラインの数字も下がってきた。さらに名目国内総生産(GDP)と実質GDPの比率であるGDPデフレーターは、この期間においてもマイナスを抜け出したことはない。

 景気に目を転じると、状況の悪化はさらに顕著である。日銀が量的緩和を開始したのは2001年の3月であり、景気動向指数を見ると日本の景気は2002年の初頭に好転した。ところで、すでに述べたように日銀は2006年3月に量的緩和を停止し、景気動向指数はおそらく2007年秋ごろには下落に転じ、かくして「実感なき景気回復」は実感のないままに終焉した。

 つねづねフリードマンは、金融政策の効果には「長くかつ可変的なラグ」があると述べていた。このラグがあるために、政策変更がもたらす影響はすぐには認識されない。それゆえ、金融市場に近い人ほど、市場にもっとも影響を及ぼす要因を理解できないという皮肉な事態が生じる。そのこともあってか、残念ながら金融政策の重要性は日本のマスメディアではあまり強調されていないしかし、日銀の失政は明らかであろう。

◇大恐慌の教訓は◇

 現在最大の話題は、なんといっても夏以降の金融危機であろう。米国から始まった金融危機は昨年9月に急激な展開を迎え、現在では金融市場の動揺から世界同時不況へと事態は悪化している。

 このことについて、私の認識がかなり甘かったことは率直に認めなければならない。サブプライムローン問題に端を発する金融危機の見極めには十分注意しなければならないと思い、本誌2007年5月号でも「サブプライム問題を発端として金融危機になだれ込んでいく可能性は十分にありうる」と書いていたものの、ここまで大規模な金融危機が勃発することは予想していなかった。

 ここに、反省とともにフリードマンを見直さなければならない理由がもう1つある。それは、やはりアンナ・シュウォーツと共に彼が書いた主著『合衆国貨幣史』にかかわる。この本の白眉である大恐慌には、当初普通の不況として始まったものが世界的な恐慌へと激化していく過程が詳細に語られている。

 彼らによるとその大きな原因は政策の失敗、なかでも当時の連邦準備制度理事会(FRB)の失敗にある。もちろんフリードマンらも示しているように、FRBが供給したベースマネーは大恐慌の時期に増えていた。しかし金融機関の3分の1近くが倒産する金融危機が起きたために人びとは現金に対する選好を強め、市中には貨幣が出回らなくなった。そのため激しいデフレが起きることになる

 こういう状況においてFRBは2つの過ちを犯した。「最後の貸し手」として金融危機に対して適切に行動しなかったのが第一点。そして人びとの現金に対する需要増大に対抗するために、さらにベースマネーを増やすことをしなかったのが第二点である。

 今後の動向は予断を許さない。アメリカのオバマ新政権の経済チームは、多くの有能なマクロ経済学者を抱えて、大恐慌シフトといってもよい布陣である。とりわけ経済諮問委員会の委員長に就任したクリスティーナ・ローマー教授(カリフォルニア大学バークリー校)は大恐慌研究で知られる。もちろん政策は政治が決めるから、それだけで安心するわけにはいかない。いや、大恐慌の教訓がもしあるとすれば、最大のそれは「最悪の場合が起きうることをつねに念頭に置いておく」ということだ。日本の政策担当者はこのことを理解しているだろうか。

Voice1月19日(月) 12時38分配信 / 国内 - 政治

 つまり、不況になれば、現金(流動性)に対する需要は増える。これは、今の日本も同じで、積極的に内部留保を活用した企業ほど、流動性を獲得しようと、コマーシャルペーパーや借り入れを増やしている。これは、内部留保を積極活用し、雇用の拡大をしたが為に、従業員に払う為の現金が手元に無いからだ。

 こういった事態に対しては、中央銀行が流動性、つまり現金を大量に供給しなければならない。企業は赤字であろうと、黒字であろうと、現金さえあれば首はつながるのだから。

 翻って、わが国を見れば、内部留保を賃金に回せ、とおかしな議論が沸いている。

 例えば、ケーキの配分を仮に経営者が半分から1/3に減らしたとしても、ケーキの大きさが小さくなれば、労働者の取り分が小さくなるのは、中学生でも分かる。そして、この内部留保論は、ケーキが無いなら、テレビでも車でも売り払ってでも、ケーキを買えといっている。テレビはともかく、車が無くなれば、仕事に通うにも時間がかかるし、余計な体力を使い、却ってケーキに対する需要を高めてしまう。

 だからこそ、フリードマン(ちなみにケインズも)はケーキを大きくしろといっているのである。 

 マルクス主義者からすれば、内部留保というのは、資本家が労働者を搾取して儲けた利益である。恐慌期においては、内部留保の資産を全て売り払うことにより、労働者に還元され、そして資本家が没落し、共産主義へと変わっていくと考えている。

 しかし、それでみんなが幸せになるだろうか?

 仮に共産主義が理想の世界だとしても、その変化の過程では、犠牲となる人がいるし、そもそもな話、海外と比べ日本の経営者はそれほど報酬を得ていない。

 トヨタはここ数年、莫大な投資を行ってきた。現金収支は赤字である。

 対して、海外へ工場を作った企業はその批判の矢面に立たされていない。

 日本の雇用への貢献という事を鑑みれば、トヨタは多大な貢献をしている。

 だからこそ、平等な視点で企業を評価すべきだし、万民の幸せを考えれば、私は、マルクスよりフリードマンのほうが人として尊敬できる。

2009年1月25日 (日)

内部留保と現金・預金の乖離

利益剰余金(=内部留保)と現金・預金の推移。 Photo_3 (ウィキの内部留保の頁より)

バブル崩壊以後、利益剰余金は近年においては過去最高を記録しているが、現金預金の額は逓減傾向であることが分かる。

2009年1月23日 (金)

余り好きではないがいい仕事をしたと思う

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090122-OYT1T00464.htm?from=navr

消費税上げ、法案付則案を自民部会・政調審が了承

財務金融部会を終え、記者の質問に答える中川秀直元幹事長=吉川綾美撮影

 自民党の財務金融部会と政調審議会は22日午前、政府が提示した2009年度税制改正関連法案の消費税に関する付則案を了承した。

 政府は、23日に自民党の党内手続きが終了した後、臨時閣議で同法案を決定する方針だ。自民党内では増税時期の明示に根強い反対論があったが、付則案は「2011年度までに必要な法制上の措置を講じる」と明記する一方、増税時期は改めて法律で定める「2段階」方式と読み取れる文言を盛り込んだことで、反対派も容認した。

 部会には、増税時期の明記に強く反対してきた中川秀直・元幹事長らも出席した。中川氏らは「景気対策に万全を期さないと、増税すべきではない」と注文をつけたが、強い反対論は出なかった。

 中川氏は終了後、記者団に「留保条件付きで賛成する」と述べ、公務員制度改革など行政改革に積極的に取り組むことなどを条件に、法案採決では造反せず、賛成する考えを示した。中川氏に同調してきた塩崎恭久・元官房長官も「付則は実質的に2段階論になり、(11年度増税の)懸念はかなり払拭(ふっしょく)された」と語った。

 中川、塩崎両氏らが矛を収めたことで、関連法案の採決で大量の造反者が出る可能性は低くなったとみられる。
(2009年1月22日12時21分  読売新聞)

 イギリスでは消費税が減税されるという話が出てるのに、どうして、しかもこんな時期に消費税の増税を盛り込もうとするのか…。財政よりも経済の方が大切だろうが。

 まあ、なんとか曖昧な形に出来たのはいいのだが、それでも増税の可能性が含まれているだけに、悩ましい。

 *タイトルは中川氏について

政府よりもっと批判すべきところがあるだろ!その論調なら

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090115k0000m070149000c.html
社説:企業倒産急増 資金繰り支援にもっと力を

 昨年の企業倒産が03年以来の水準となった。民間信用調査会社の東京商工リサーチの調査によると、件数は1万5646件で前年比11%増、負債総額は同2・1倍の12兆2919億円である。

 一般的に企業倒産は景気後退の最後の局面で急増するといわれている。ところが、今回は景気後退が本格化した08年初めからその現象が表れた。それだけ、企業の置かれている状況は厳しい。

 08年は上場企業の倒産が33件と第二次世界大戦後最多となったように大型倒産が目立った。それ以上に特徴的なのが、不況型倒産の増加だ。要因別では販売不振が1万196件と全体の約3分の2を占めている。とくに、米国の金融危機の日本経済への波及が鮮明となった08年夏以降、倒産は件数、負債ともに増加が目立ち、不況型の割合も増えている。

 政府経済見通しによると09年度の実質成長率は0%である。ただ、民間シンクタンクの多くが予測しているように、マイナス成長の可能性が高い。国際機関の09年予測も軒並みマイナス成長だ。景気がすぐには回復しないとすれば、企業倒産は増えることはあっても減るとは考えにくい。

 このところ、目に付くことは資金繰りがつかなくなり、倒産に至るケースだ。08年は全体の約3割を占めている。黒字倒産も少なくない。

 なぜ、昨年来、資金繰り難を原因とする倒産が増加しているのか。金融機関の貸し渋りを指摘しなければならない。また、大手企業が株式・債券発行など直接金融のめどが立たないため、金融機関からの借り入れに回帰したあおりで、中堅・中小企業に資金が回りにくくなっている。

 資金繰りがつかず、経営破綻(はたん)に立ち至れば、雇用も失われかねない。国民の安心を維持する観点からも、対策を講ずることで避けられるのであれば、早手回しに実施する必要がある。

 政府は08年度の第1次補正予算で中堅・中小企業を主な対象とした資金の緊急保証を実施している。第2次補正予算案でも、新保証制度の導入や政策金融対策が盛り込まれている。

 2次補正予算案は定額給付金切り離しを求める民主党などの要求に与党が応じず、参院での審議には入っていない。景気状況が悪化の方向にあることを直視すれば、雇用対策や中小企業金融対策などの景気対策は早期に実施されなければならない。与党もメンツにこだわらず、柔軟に対応すべきだ。さらに、必要ならば追加対策も実施すべきだ。

 民間金融機関も必要な資金はできる限り供給する役目を果たすべきである。血液の流れが滞ってしまえば、経済全体が機能不全に陥ってしまう。それは金融機関にとってもいいことではないはずだ。

毎日新聞 2009年1月15日 0時12分

 ちょっと時期が古くなってしまったが、毎日新聞の社説。

 企業倒産件数が増えてるから企業の資金繰りをよくするよう訴えてるわけだが、まあ正論ではある。

 ただ、「与党が応じない」という政府批判(定額給付金は企業の資金繰りをよくする政策だと思うけど)や民間金融機関は積極的に資金を供給しろと言うよりも、自分達の天下り先である短期金融市場を守ろるため、消極的な金融緩和に留まっている日銀を批判すべきなんじゃないか?
 それに、このような不況期には企業が総じて赤字になるんだから、金融機関は貸し倒れ引当金を多めに積み上げなければならない。
 だから、資金供給が難しいだ。金融機関はどんどん供給しろというのは、産科医を叩いていた毎日新聞らしいといえばらしいが、無茶な話である。

 というか、企業の資金繰りが大切だというなら、農林中央金庫や新銀行東京を改正金融機能強化法の枠から外せ~1、という批判をした民主党を批判しなければならにと思うが、まあ、しないんでしょうね。

注釈

~1 いや、あそこはこの金融危機に関係なく不良債権をためたのだから、経営責任は問われるべきだ、という意見もあるだろうが、そんなことをしたら、経営責任を問われたくないからと、経営者が居残ってしまうかもしれないし、厳しく問えば、今後の貸し出しも厳しくなる。そうすれば、一番被害を受けるのは、これらの金融機関の経営者ではなく、不採算事業(特に農業)を行う事業者とその従業員だと思うんだがなぁ。

2009年1月12日 (月)

白い巨塔

http://diamond.jp/series/inside/10_11_003/

学力不問の青田買い競争 私大推薦入学の呆れた実態

2008年10月10日(金)09:15

「一部の大学が推薦・AO(アドミッションズ・オフィス)入試に名を借り、学力不問で多数の学生を受け入れている現状は妥当か」

 9月22日に開催された政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎・慶應義塾塾長)で、こんな問題が俎上に載せられた。

 現状では、各大学は定員の半数までは推薦入学者の受け入れが認められている。実際に昨年度の私立大学入学者数48万人のうち、推薦入学が20万人、志望者の個性や適性を総合的に評価するAO入試が4万人。私立大学生の半数は、驚いたことに入学試験を受けていないのだ。

 しかもこの数字は、私大全体の数字である。問題になった「一部の大学」ではどうなっているのか。「定員割れが深刻な底辺校ともなると、入学意思だけ示せば即合格。やりたい放題だ」と呆れた内実を解説するのは、ある大学関係者。

 人気のない大学は、一般入試では受験者すら集められないので、早くから青田買いに走る。一般入試は2月からしか実施できないが、推薦入試は11月から、AO入試に至っては11年中選考可能だ。いまや夏から秋にかけてが入試のピークなのだという。

 受験勉強の通過儀礼を経験しない「青田買い学生」は、とかく学力が低い。それゆえ、「英文科の授業で和訳されたシェークスピアを教材に使う」「物理や数学を学んでいないのに入学できる工学部で、大量の中退者が生まれている」などという事態があちこちで生じている。

 ある底辺校の学長は正直にこう言う。「うちの法学部は、司法試験に合格させるのではなく、新聞を理解できるようになるのが目標」。

 冗談のような現実である。「教育再生」の道のりは果てしなく遠い。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 千野信浩)

 私は大きな政府志向の人間だから競争原理主義というわけではないのだが、この教育にはもっと競争原理を導入して、不良大学を淘汰すべきではないかと考えている。なぜかというと、大学には競争原理がうまく機能していないのではないかと考えるからだ。では、なぜうまく機能しないのか?それは、

           情報の非対称性*1

 少し考えれば分かるが、大学を選択する学生はその多くが未成年であり、情報量は少ない。また、高校の教育課程では、文理選択などがあるが、文系を選択したとしても、経済や経営では数字を扱うのだから、そういった選択はかえって選択の幅を狭めるとともに、質の劣化をもたらすだけだ。

 また、企業としては、学歴よりも寧ろ経験の方を重んじている*2し、かつての記事でも書いたが、生涯年収で見た場合、大学へ進学しても小企業では、大卒の方が高卒より低くなってしまうのだ。

 このような考えは、恐らく、多くの受験生には無いと思われる。だからこそ、受験生には、むしろ安易な大学進学は手控えて、公務員の勉強や、大企業への就職をを薦めたい。そして、政府には文理選択を廃止して、幅広い知識を学べる(詰め込み教育)中等教育を目標として掲げることを願う。*3

 そうすれば、質の高い安価な労働力が市場に供給され、また不良な大学も減るとともに、その高い地位に胡坐をかき、自分より下級の者が反発したら、大人げも無く、しょうもない嫌がらせをするナッパ*4みたいな人間も淘汰されていくはずである。

注釈

*1 内閣府http://www5.cao.go.jp/seikatsu/koukyou/explain/ex06.html

*2 ただし、学歴で大卒以上を求める会社が多いのも事実。私は、こういった実力を見ない慣習は排除されるべきだと考えている。

*3 幅広い知識があれば、応用の範囲が広がったり(そもそも経済学は数学の応用である。)、自分が進路を変えようと考えた時にも、対応しやすい。

  また、この幅広い知識の学習には、統計分析や簿記などの応用数学のようなものを入れるべきだと思う。

*4 ドラゴンボールのキャラクター

2009年1月 6日 (火)

市場原理を尊重するならベターな政策じゃないか?

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008122502000222.html
『定額給付金撤回を』 渡辺元行革相 再び造反も

 自民党の渡辺喜美元行革担当相は二十五日午前のTBS番組で、二〇〇八年度第二次補正予算案に盛り込まれた定額給付金に関し「定額給付金は評判が悪い。国会審議の結果、(補正予算案の)修正があってもいいではないか」と述べ、撤回すべきだと主張した。

 民主党は年明けの通常国会に、定額給付金をやめて、この財源を雇用対策などに振り向ける補正予算案修正案を提出する方針。民主党提出の衆院解散決議案に賛成したのに続き、渡辺氏が補正予算案採決でも造反する可能性が出てきた。

 渡辺氏はテレビ朝日番組でも、定額給付金について「二兆円も使うなら、別の使い方があるのではないか」と述べた。

東京新聞 2008年12月25日 夕刊

 記事は古いが、この記事の方が論評しやすいので。

 まず、別の使い方というのが分からない。ここは消費税の増税を批判して、給付金の増額(10倍程度)を言うべきだろ。
 たしか彼は上げ潮派の人間で、上げ潮派の人間は市場原理を尊重しているはず。なら、なぜこれほど市場原理に即した政策に反対するのかが分からない。

 定額給付金は確実に消費へ回る。貯蓄へ回るといわれているが、みんながみんな必需品を買うわけではない。
 それに、この給付金によって消費された商品というのは、需要期待が高い商品であるわけだ。(なぜならば、期限内に何か買えといわれて買った商品であるから。そのような条件下でいらないものを買う人もいないだろう。)だからその市場原理に則って、この需要期待の高い商品を作る会社に対し、金融機関は融資を行うだろうし、投資家も投資を行う。

 逆に、目的を持って支出をすれば、それは政府の介入なのだから市場原理もへったくれもない。
 本来は、額が少なすぎて需要期待の高い「高額商品」が分からないという批判や、増税を匂わせたせいで、消費者の行動が制限されるという批判であるべきだ。
 それに、マネーサプライを増やしたとしても、例えばそれを金融機関に入れることが、あれだけ「銀行だけ助けるのか!」として批判されたのを忘れたのだろうか?
 彼が、別の使い方があるというのならそれこそ対案を出してもらいたいものだ。

えぇええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090105AT3S0500G05012009.html
「企業は内部留保の活用を」 雇用対策で官房長官

 河村建夫官房長官は5日午前の記者会見で、派遣社員の雇い止めなど深刻化する雇用問題の対応策として、企業側に内部留保を活用するよう求めた。河村長官は「企業はこういう事に備えて内部留保を持っている。こういうときに活用して乗り切っていくべきだ」と強調した。

 雇用問題が深刻化している一因として「派遣社員の受け入れを進めた企業の体制が問題を引き起こしている」とも言及。「企業の社会的責任がどうあるべきかという議論も生まれてきている」と語った。

日経新聞(1月5日 16:52)

 タイトルから分かるとおり、私は驚いている。
 何に驚いてるかというと、このようなデフレ振興策はともかく、彼が慶應義塾大学商学部出身*1でありながら、こんなことを言ってるからだ。
 デフレの時に資産を売却すれば、デフレに拍車を掛けるのは容易に想像が付く(デフレとは物の価値が下がり、金の価値が上がることだから)。
 それに、内部留保=現金ではない。企業が現金を大量に保有しているなら別に構わないが、黒字倒産*2が増えている*3のにこんなことを言うなんて。
 私は別に高齢の政治家に不満は無いが、これはもう引退も考えた方がいいのではないだろうか?

脚注
*1 ウィキペディアより
*2 利益が出ているのに、資金繰りが悪化して倒産すること
*3 Business Media 誠「あなたの会社は大丈夫?黒字倒産激増の怪」
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0811/28/news007.html

2009年1月 4日 (日)

いや、それメリットじゃないし。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-35693820090104

ゼロ金利・量的緩和は経験に照らして考える=日銀総裁

 [東京 4日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は4日午前のNHKの番組で、今後の金融政策運営について、予断を持たずにその時々の経済・金融情勢を踏まえ、日銀が過去に採用したゼロ金利政策や量的緩和政策の経験に照らして考えていくと語った。

 また、円高が日本経済に与える短期的なマイナスの影響も意識しながら政策運営を行っていく考えも示した。

 白川総裁は、日銀が12月18、19日の金融政策決定会合で政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.2%ポイント引き下げて0.1%前後とし、ゼロ金利を回避した理由について、金利がゼロ%になると金融機関が全てを日銀に依存するようになると説明し、「企業が実際に資金調達する金利をどのように下げるか、資金調達の量への不安をどのように軽減するかが意味のある論点だ。日銀としては、この面でどうすれば状況が改善するかを考えている」と語った。

 その上で、今後の金融政策運営について「予断を持つことなく、その時々の経済・金融情勢を踏まえて(判断する)」と指摘。過去に日銀が採用したゼロ金利政策や量的金融緩和政策の可能性に関しては「効果・副作用についての分析・総括がある」とし、「前回のゼロ金利、量的緩和の経験に照らして考えていく」と語った。

 一方、進行する円高について「今のように世界経済が急激に落ち込む中での円高は、短期的に景気に対して大きなマイナス要因になることは十分に意識している」とし、そうした影響を踏まえて「中央銀行として金融政策を含めて対応のあり方を常に考えていきたい」と円高の影響も念頭に置きながら政策運営を行っていく姿勢を示した。

 ただ、白川総裁は円高に関して「長い目で見れば日本全体の実質的な購買力の増加につながり、企業が対外的に投資を行う際の採算も改善する」と長期的なメリットにも言及した。

ロイター 2009年 01月 4日 12:35

 いや、長期的にもメリットじゃないだろ。

 外需で稼ぐ企業(それも一部の役付きくらい)は儲かるかもしれないが、ほとんどの下請け・内需企業は海外投資に力を入れられたらつぶれるだろ。

 それに、市中に出回る量が少ないから円高なんじゃないのか?仮にそうなら購買力は上がらないだろう。

 まあ、マスコミはこの発言についてはスルーなんだろう。

 そして派遣村の連中も、官僚にどうこう言う前に日銀を批判したほうが早く仕事にありつけると思うんだが、スルーなんだろうな。

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