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2009年1月31日 (土)

悪質な記事

http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008122301000451.html

大手製造業、株主重視で人員削減  内部留保、空前の33兆円

 大量の人員削減を進めるトヨタ自動車やキヤノンなど日本を代表する大手製造業16社で、利益から配当金などを引いた2008年9月末の内部留保合計額が、景気回復前の02年3月期末から倍増し空前の約33兆6000億円に達したことが23日、共同通信社の集計で明らかになった。

 過去の好景気による利益が、人件費に回らず巨額余資として企業内部に積み上がった格好。08年4月以降に判明した各社の人員削減合計数は約4万人に上るが世界的な景気後退に直面する企業は財務基盤の強化を優先、人員削減を中心とするリストラは今後も加速する見通し。

 08年度の純利益減少は必至の情勢だが配当水準を維持、増やす方針の企業が目立ち株主重視の姿勢も鮮明だ。

 派遣社員などで組織する労働組合は「労働者への還元が不十分なまま利益をため込んだ上、業績が不透明になった途端、安易に人減らしに頼っている」と批判している。

 集計によると内部留保の合計は01年度末の約17兆円から08年9月末に98%も増加。この間に米国の金融資本主義が広がり「株主重視」の経営を求める風潮が日本でも強まった。増配や自社株買いなどで市場での評価を高める経営手法がもてはやされた。
2008/12/23 22:08   【共同通信】

 まず、基本的なことを抑えておこう。

 「内部留保=現金」ではない(確かに内部留保は利益の積み立てではあるが)。その理論を以下に単純に示す。

 ある企業で一期間中において以下の取引があった。
 ①. 1億円の商品を仕入れた。
 ②. 2億円でその商品を売って、2億円の現金を得た。
 ③. 1億円で建物を購入した。
 さて、この場合利益はいくらか?

 答えは1億円であって、0円ではないなぜか?

 まず、①の取引により企業は1億円の費用が掛かった。
 次に、②の取引により企業は2億円の収益を得た。
 ここまでの取引(2億円-1億円)の結果、企業はその差分1億円を利益として得たわけだ。
 そして、③の取引で、企業は1億円で建物を購入している。しかし、ここが注意すべきポイントである。

 この「建物の購入」は損失ではない為、費用として計上されない。つまり、利益額1億円は減らないのである。これは、損益計算と現金計算が別物であることを示す。

参考:計算過程
損益計算:2億円(商品の売上)-1億円(商品の仕入れ)=1億円(利益)
現金計算:-1億円(商品の仕入れ)+2億円(売上で得た現金)-1億円(建物の購入)=0(現金)

 この計算過程を見れば明らかなように、利益が上がっていても現金は0である。

 つまり、トヨタなどの大企業は設備投資や工場の建設などを活発に行っている為、内部留保は多くても、実際の現金は少ないのだ。だからこそ、キャッシュフロー計算書(≒現金預金計算書)を企業は決算の時に広告しているのだ。
 まあ、そういった計算式で企業を評価するとマスコミが、全く経済に貢献していない(現金を溜め込んでいる)ことがばれるから、こういう記事になっているんだろうけどね。

脚注

*ただ、恐らく、建物の購入だって損失では?という疑問が浮かぶだろう。しかし、これは建物は長期で利用が可能である為、損益計算には当てはまらない。なぜならば、損益計算は一期間(大抵は1年度)の経済活動を見るものなのだからだ。
(なお、損益計算の対象となる商品の場合も、売れ残り商品は繰越の資産として、「商品」や「棚卸資産」として資産計上される。)

参考:トヨタの連結キャッシュフローの推移

  平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度
営業C/F 1108831 759149 1329472 2186734 2370940
投資C/F -1047074 -954031 -1385814 -2216495 -3061196
フリーC/F 61757 -194882 -56342 -29761 -690256
財務C/F -148930 348005 33555 242223 419384

C/Fとはキャッシュフロー(現金の流動額)の略。
 単位は100万円。
 フリーキャッシュフローが赤字である程、活発な投資(工場建設や機械の購入)を行っている。

引用:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060530/239478/

*当分の間、この記事をトップにしときます。

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